理想的英会話学習方法とは

英会話学習にはいろいろな方法が提案されていますが、最後に最も理想的な英会話学習はどのような方法でしょうか。その方法を具体的には解明するのは非常に難しい事です。しかし、どのような方法が効果的であるべきかと言う事は明確にすることはできます。何よりも事前知識として知っておくべき事は、英会話をすることは大変複雑な言葉と取り組むと言う事実です。だからどのような方法であろうとも、あまり簡単に割り切り過ぎないことです。例えその割り切り方が正しい場合であっても、英会話学習の一面しか見えてないことになります。もしその割り切り方が間違っていれば多くの学習時間が無駄になってしまいます。学習とは常にどうすべきかを模索し続け、なぜそうなるかを知ろうとする努力が肝要です。英語は学習方法を学ぶには最も適した題材と言えます。

世界的なゴルファーであったジャック・ニコラウス氏は良いゴルフコーチの条件として「生徒にどのようにすべきか(how)を示すのでなく、なぜそうなるか(why)を教えられる事だ」と言っております。逆に悪いコーチにありがちなのは自分と同じスイングを押し付ける事だと言ってます。そして「私は上達のメソッド(方法)を教える事に疑いの目を向けている」と言っています。我々が英会話を習うのであれば特に発音やリスニングはなぜそうなるかを知る姿勢が必要です。

次に英会話をやるためには目的を明確にする必要があります。まず英会話を習うと言うことは書き言葉で無く、話し言葉を習う事です。効率的な英会話学習は話す事、聞く練習し、話し言葉を身に付けるべきです。英語の書き言葉を勉強しても英会話に大きく反映するものでありません。

英会話学習の選択をする場合に現在の環境で数十年前とは違う環境があります。映画やラジオが普及するまでには自然な英語聞くことさえが難しい時代でしたが、現在では英語の文字や音声のデータでふんだんに入手して、その上に携帯端末に入れ繰り返し聞く事が非常に容易な時代となりました。必要があれば録音して自分の発音を聞く事ができます。しかし、現実的に大量の英語のデータを入手して、繰り返し聞くとか、繰り返し反復練習するだけでは良い方法でありません。もし、これが良い方法であるならITや録音媒体が普及してからは英語のデータが非常に容易に入手できるようになりましたが、その結果として英会話のレベルが上がったとは言えません。

こう考えるとネイティブに直接学ぶダイレクト・メソッドもネイティブの英の音声をふんだんに聞けない時代には貴重な事でしたが、ダイレクトにネイティブと英語で話せる環境が英会話を覚えるための、優れた条件ではありません。臨界期を過ぎるとネイティブと話しているだけで英会話が身に付く事はありません。それは日本に長年滞在している多くの外国人が上手な日本語が話せない、英語文化圏にいる多くの日本人が上手な英語が身に付かないように、ネイティブの発音をたくさん聞けるダイレクト・メソッドの限界を示しています。

言語学習で大きなポイントは臨界期をどう克服するかと言う事です。これは英語文化圏に住むとか、英語をシャワーのように浴びようが克服できる壁ではありません。これだけは意識的に克服する訓練をするしかありません。臨界期後は聞いただけで分らない音声がどのようなものであるかを知る事は大変重要になります。この臨界期の克服ができると次のような事が期待できます。佐久雄二郎氏訳のカリフォルニア大学の言語学のLinne Mikkelsen(Ph. D. Linguistics)氏の言葉では次のように言っています。

「言語の習得には、さまざまな過程があります。また、どのような要素が言語中枢の発達に寄与するかという一致した見解は今のところありません。しかし、長年の研究により、おおよそつかめてきているとは言えるでしょう。まず大切なのは、自分の母国語と照らし合わせて考えることです。バークレーの言語クラスでは、オーラルコミュニケーション能力の発展にまず力を入れるため、基礎的な単語や文法以外は後回しにされるか、全く別の扱いを受けながら勉強します。

言語習得の段階としては、第一段階、つまり簡単な会話を実際に行うことがまず必要と言えます。そして、聴覚がその言語に適応を見せた後、稲の刈り取りのように徐々に空間を広げていくわけです。ですから、初期段階のうちにオーディオなどで高度な会話を聞かせたり、教科書を音読させたりすることは効果的とは言えず、それ以上に的外れなことなのです。」

そして佐久氏は英語を学ぶ時にはアルファベットでなく、英語の音で学び、英語の音を発し、音を聞く事を勧めています。私の長い英会話学習からも基本的に音を中心としたこのアプローチに大賛成です。問題は英会話を音で学ぶ場合にはどう言う手順で音を取り入れるかになります。するとどうしても音声がどのようなものであるかを理解する必要があります。既に説明したように、闇雲に英語のネイティブを相手に会話をするのは間違いです。コミュニケーションの技術を発展させる場合には前提条件として基本的な文章を記憶して発音できるような訓練がなければ会話がなりたちません。英会話には発音とリスニングがあります。発音は発音器官の筋肉運動ですら他のスポーツや稽古事を習うのと同じように繰り返して覚える意外にありません。フィードバックを生かした学習が望まれます。

一方リスニングは音を感知して意味を脳で認知する複雑なプロセスですからこの問題を解決するのは非常に困難です。しかし、発音とリスニングは非常に密接な関係にあります。相手の発音や自分の発音を正しく聞けなければ発音はできません。発音は記憶との関係もあります。すると最も効果的な学習方法は発音もリスニングも記憶も同時に進める事が理想的です。私は最初の段階として上達が速い発音を軸にリスニングや記憶を並行して学習していくべきだと思います。リスニングは英会話学習の永遠の課題で最後の最後まで壁として残る問題です。発話者が好き勝手に話す英語発音にはいろいろな音があっても自分ではコントロールをする事はできません。話す事は自分だけが主体ですから完全に自分の意思や能力の配下にありますので学習とその評価が容易です。評価ができて自分の向上を知ることができれば楽しく学習を継続できます。

すると英会話を勉強するためにはいろいろな表現を覚え、かつ発音するためのいろいろな筋肉を動かすために、いろいろな音を覚えておかなければなりません。そのためには脳を最大限に味方にしたいものです。脳の情報処理の仕組みでコンピュータに比べ非常に優れているのは、個別の出来事をたくさん覚えるとそれから一般的な知識みたいなものを圧縮して作りあげ、逆に展開するときにはその知識の中から個別に適応できるような形で表現できます。我々が日本語を聞いて理解したり、音声で話したりすることができるのも全てこの脳の驚異的な能力によるものです。第二言語である英語を学ぶ時にもこの力を最大限に生かすべきだと思います。

母語である日本語と第二言語としての英語の学習方法の違いは臨界期があるため発音は特別の訓練を必要としますがそれ以外は双方とも同じではないかと思います。つまり音を重視した学習方法が効果的だと思います。しかし発音だけは臨界期を過ぎると単に音を聞いただけでは正しい発音ができません。その上に母語の日本語の癖がどうしても出てしまいます。すると発音だけは単に聞いて勉強するのは非常に難しい事になります。少なくとも日本語のマイナスの部分は常に考慮すべきです。

第二言語の習得は時間を掛けても聞く力を高め、発音をなるべく自然に近い音しておくことにより臨界期の克服が可能となります。その英語音声データのインプットとアウトプットの脳への入出力を極力容易にして、英語データのスループットの最大化を計るべきだと思います。このように本当の聞く力が高まれば情感も高まり、同時にスループットの絶対量の増加により加速度的に記憶量が増えていき、その結果更にスパイラル状にインプットとアウトプットが容易になるのです。

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