英会話学習をする最終的な目標は何か

スポーツでは目標を立ててトレーニングをすると効果的です。頭文字をならべたSMART Objectivesがあります。これは、目標には5つの要素を盛り込むことが必要であるということを示しています。

【Specific】=具体的に自分は何をやるか決めます。
【Measurable】=数値化・測定可能な目標を設定します。そしてどの程度までやるのかというレベル設定します。
【Action Oriented】=何をするかを動詞を用いて決めます。
【Realistic】=現実的・達成可能な目標を掲げます。
【Time Limited】=そしていつまでにというある期限を決めます。

だからと言って残念ながら英会話ではこのSMART Objectivesはあまり効果的でありません。それは英会話では目標を持つこと自体は良い事ですが、達成度の数値化が難しく、測定不可能なため具体的な設定がしにくいからです。英会話は筋肉よりは脳の記憶に頼る部分が大きいのもスポーツのようにいかない理由のひとつです。だから目標の設定ができないので、その達成度も分かりません。そして言語習得は非常に時間が掛かるために期限の設定も難しい事もあります

私は英語学習関連のメールマガジンで英語学習の目標に関して次のような事を読みました。

「私がトレーニングを継続させる上で、一番重要なことは、「達成感」だと思っています。この達成感を得るには、目標を立てることが一番です。ここで重要な事は、将来を見据えた長いスパンでの目標とそれを達成させる為の短いスパンの目標の2つをはっきりさせる必要があります。

例えば、前者の例では3年後にTOEICで900点を取るといったもので、後者の例では3ヶ月間で音読を100時間行うといったようなものです。目標を立てたあとは、スケジュールを作成します。スケジュールでは、後者の目標を達成させるための計画を練ります。スケジュールを作成すれば、現在の状況を把握することができます。(予定より遅れているのか。それとも進んでいるのか。)私はこの計画を3ヶ月ダイヤリーを利用して記録しています。あと、裏技としては、その短いスパンの目標を達成した場合に、自分自身にご褒美を与えることです。」

本人がこのような目標が好きで満足して英語を勉強をしているなら、私が口を挟むような事ではありません。でも決してお勧めできる目標ではありません。どうして良くないかと言えば本格的に英会話を勉強するのであればその目標はある地点、あるレベルを最終目標にすべきではないと思うのです。英語資格試験は短期的な通過点であって、最終ゴールではありません。TOEICで満点とったらそれでどうするのでしょうか。満点とは言え、だから英語がマスターできた訳でも、英語が教えられる訳でもありません。給与が上がる会社はあるかもしれませんが、英語で稼ぐ事はできません。私からすれば満点とったならそれで英語学習を終わるのは惜しいような気がします。

もちろん英語脳や英語耳を獲得するのを目的にすべきではありません。有るか無いか分からない英語脳を獲得したからどうなるのでしょうか。私の知っている人は「通訳ガイド試験」にパスすることを目標に英語を勉強していましたが、試験に合格した後その資格ではとても一般的な通訳にさえなれないレベルだと知り英語学習に対する関心を無くしてしまいました。英語を学ぶのに大事な事は「達成感」であることは同感ですが、自分が発音が良くなったとか、聞き取りが良くなったとかと、表現がうまくなったとか自分で感じるものにすべきです。このような達成感ならいつまでも、たくさん感じる事ができるので長い間新鮮な気持ちで勉強が続けられます。

最近はブログが盛んで英会話に関連したものも多くあります。そのブログの中でいろいろな教材をそれぞれ何時間か克明に記録して公開しています。体育会系のトレーニングとは違い、英語に関して言えばそれら公開される数値は単なる数値であって他の学習者には役にたたないと思います。ブログに書くとなるとどうしても自分の関心は時間の記録をとるとか、次に何の勉強するかになります。本当に良い英語の勉強方法はたとえ一つの方法でもいろいろな知恵を使うことにより、良い発音になり、より良く聞けるかに関心と興味を持って勉強するかにあります。例えば4時間夢中になって英語の発音を練習することは効果的な方法ですがブログ的にはあまり魅力がある話しではありません。

書いて見栄えがする内容とは自分の持っているいろいろな教材を使うことにより、何かいろいろやっている雰囲気が記述できることかもしれません。英語の勉強においてはどれほどの時間を勉強したかは比例的リニアの関係で力がつくわけではありません。本当に英語を目指すなら何時間音読をしたか言う練習時間の数字はあまり英会話学習の楽しみではなりえないと思います。ギターの好きな人は上手な演奏が自慢であり、そこに至るまで何時間練習したかは自慢にならないし、自慢にする人を見たことはありません。芸を見せる人やスポーツをやる人は何時間どんな練習をやったかは、通常は話したがらないものです。

ブログを見ると書くためにいろいろの教材を使い、書くために時間を記録しているような側面が強いような気がします。また練習時間は足し算なので毎日の練習が着実に増えていくだけですから、壁にぶち当たる事はありません。毎日英会話の練習してもそれが儀礼的に時間のため、数値のために勉強するのでは効果は期待できません。私の場合はニッチな時間を使って発音や聞き取りの練習をしますので、もし記録に付けようとすると非常に難しくなります。英語学習者はなぜ学習経緯や経歴を話したがるのでしょうか。

英会話を練習していると他人に自慢したいような気持ちになりますが、そうであれば自分の発音を聞かせるとか、英語の話せる人と英会話をすべきです。傍から見れば鼻持ちならぬかも知れませんが、それが励みになるのであれば大いに活用すべきです。私は携帯性のある録音機を勧めていますが、自分の発音を録音して他人に聞かせる人がおり、これの方がブログに書くよりは英会話学習に効果的な露出趣味だと思っています。

野球のイチロー選手は小さいときからバッティングセンターで打ち方の練習をしていましたが多分何本打ったか記録はないと思います。何時間打ったかも知らないでしょうか。多分長い時間、たくさん打った事だと思います。そして打つ度に次はもと正確に、もっと強く、もっと意図する方向に打とうと思いを込めたのでは無いかと思います。では数字を記録してなくて達成感は無かったのでしょうか。私は今日は打てなかったとか落胆した日もあったかも知れませんが、今日は少し飛ぶようになったとか、変化球が打てるようになったとか、数え切れない程の達成感があったのだと思います。その達成感がご褒美だったと思います。だから我々の想像を絶する程の練習の数をこなせたのだと思います。

私は英会話を数十年やってきました。英語で金を稼いだ事もあります。平均的な日本人と比べれば数十倍くらいの時間をかけて英語を話し、聞いて、読んできました。しかし残念ながら現在でも英語をマスターしたとは思っていませんし、できるとも思っていません。しかし映画の英語がより聞き取れては嬉しくなり、自分の発音が少しでもうまくなると嬉しくなり、会話が弾めば嬉しくなり、ネットで英語の情報が入手できると嬉しくなります。私は英語を一生の楽しみのツールみたいに思っており、それがこれほど長く、熱心に英会話を勉強できた理由かと思われます。僅かな上達を感じることができれば、途中で落胆する日々もありますが、毎日が楽しく英語と勉強、いや英語と楽しめるかもしれません。

それでは英会話を学ぶ時には何が目標でしょうか。例えば会社であれば利益を増やす以外にも、社員を幸せにするとか、社会に貢献するとかいろいろあります。簡単な数値で計れないものが多くなるかもしれません。私は英会話学習の目的はより発音を上手にしたとか、英語言いたい事を言えるようにするとか、対話を楽しむとか、映画やテレビを楽しむとか多くの楽しみがあると思います。点数のためだけに英語をやるにしては、あまりにも時間が掛かり過ぎます。

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