英会話習の初期には同質のものを大量に

英会話の学習を始めるとしたらどのような事から始めるべきでしょうか。斎藤孝氏が“相手を伸ばす!教え力”の中で自律を促す教え方として“あるものを身に付けさせるためには、同質のものを大量にこなさせることがポントだ”と言っています。英語の発音とは直接関係無いのですが英語の知識を身に付ける意味で容易な英語の多読を進めているサイトもあります。

何事を習う場合でも初期の段階ではやさしい同質のものをたくさんやることです。つまらない作業ですが絶対にこの訓練無しに飛躍的な成長は期待できません。我々が日本語を覚えた時にも実は同質のものを大量にこなしているのです。しかし赤ん坊や幼児に対しては母親を始め多くの周りの人が同質のものを大量にこなすのに大変好意的に相手してくれます。この期間は10年近くにも及びます。

臨界期を過ぎた人が英会話を学ぶ場合はこのようにはいきません。金を払って同質のものを大量にこなす事もあまり勧められません。英会話を話すのであれば、いかなる手法を選んだとしても自分で同質のものを大量にこなす練習をしなければなりません。もしこのプロセス無しで英会話ができると言うのであれば、それは頭から疑っても不思議ではありません。科学的に考えてもそれは不可能だからです。

聞き流すだけで覚える方法も無い訳ではありません。聞き流して英語を学習する方法は言語学ではAcquisition「習得」と呼ばれています。我々は皆この「習得」で知識を吸収しますから、習う事は可能です。しかし習得が行われるためには条件があります。クラッシェンという人が習得は現在の自分の英語力よりも少しだけ難しいものを聞いたり、読んだりする時には可能だと言っています。現在の英語力をiとするとi+1のものを聞いたり、読んだりしたときに可能な訳です。今の英語力以下のものを聞いていても新たな習得はないし、今の英語力よりもずっと難しいi+2以上のものを聞いたり、読んだりしても意味がわかりませんから習得はおきません。

しかしこの習得は知識を得るためで発音を良くするための運動能力にはまったく有効ではありません。しかも自分の英語のレベルよりはやや高めに教材を選ぶと言うのは大変至難の技であります。しかしこの聞き流す方法でも自然な音を発音できて聞いて理解できるレベルであれば、更なる知識を得るには非常に効率的な方法に違いありません。

2005年12月30日の19時からNHK 教育テレビで45分に渡り再放送された田尻悟郎氏の「わくわく授業」の英語教育を見ました。「英語は実技だ」と言うサブタイトルで色々英語で実技をさせる教育を見せてくれました。まず驚いたのはネイティブの教師が付いているにも関わらす先生が開発した田尻式発音記号で発音を教えている事でした。田尻式発音記号に慣れてしまうとその生徒は田尻式でないと発音が難しくなります。英語の発音記号を覚えるなら万国共通の記号を覚えなくてはなりません。難しいとか難しくないとかは別にしてそれを覚えなくては辞書に使われているので、覚える意味が無いのです。独自の方式に囲い込むのはビジネスにおいて企業が良く使われますが、教育では勧められません。

更に次の授業ではアメリカのチラシとアメリカのコインと紙幣を持ってきてネイティブが何がいくらとか、その金額を実物の金を使い支払う練習でした。アメリカに行く旅行者であれば意味があるかもしれませんが、地方の中学生が学校で覚えなくてはならない内容ではありません。せっかくネイティブの先生がずっといるにも関わらず番組の20分くらいはドルとコインの受け渡しに時間が使われてしまいました。中学生であればネイティブの先生がいるなら基本の英語の発音を何度も繰り返し自然な発音を練習すべきなのです。

番組の中で中学生が金の受け渡しに夢中で4 dollarsというべきなのに、何と「ヨンダラ」と英語と日本語がチャンポンになって始末でほとんどの生徒は数字が正しく発音もできていないのでそれに紙幣とlコインを渡せば発音がさらに怪しくなるのです。覚えるのが大変だから実技を合わせたのかもしれませんが、少なくとも中学生が金の受け渡しの実技をするなら数字や買い物の単語、店屋での会話文が正しく発音できなければ、実技はまったく意味がありません。中学生が英語を始めるなら正しい発音と単語や文章の記憶は前提条件なのです。実技がそれ程重要であるなら、海外旅行の経験者はかなりの英語使いになっていなくてはなりませんが、そうではないのです。

どう考えても中学生の英語の教育がテレビの画像にして面白ものになるとは思えません。英語で話ができるようになるためには単純な繰り返しが主にならざるを得ないはずです。それを面白くして、NHKまでが放送するのは初期英語教育の間違った方向性であると思っています。

私は初期の段階では実際に使う練習の前に同質のものを多量にこなすべきです。

それをどうやって知的好奇心をなくさないで継続するがポイントです。実技はそれらの基本が見に付いてからです。

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