効果的な英会話習得は発音を軸に

英語の発音をするためには、英語の音を知らなくてはなりません。音を知るためには英語が分からなければ意味がありません。英語の発音とリスニングには相互関係があり、発音するだけでも聞き取れないし、聞いているだけで発音ができるようにはなりません。英語のインプットとアウトプットはバランスの良い学習が効果的です。このような関係でどちらが先かを決めるのは困難なことです。


発音教材では良く正しい発音をしないと理解してもらないと言いますが、それは正しくありません。私を含む日本人の英語のLとRは極めていい加減ですが、それが大きな問題を起こすとか聞いた事ありません。日本語でも英語でもネイティブと言えども音声は全体的に捉えていますので一つ一つの音素の発音は非常にいい加減で不安定です。外国人が下手な発音をするのは当然の事です。そのために発音練習する必要はありません。

ニワトリと玉子のようにどちらが先かを決めるのは困難ですが、双方に密接な関係があるならリスニングを主にしてスピーキングに生かす事も考えられます。理想的にはそれが一番です。しかし、それが有効なのは臨界期以前の子供の場合です。臨界期前であれば音を聞いただけでどのように発音するか分かります。母語は聞くだけで何の説明も無く身に付きます。しかし臨界期を過ぎた大人の場合は聞く力が落ちていますのでまずスピーキングから取り組むべきです。臨界期以降なら、躊躇無く発音を軸とすべきです。

それはスピーキングとリスニングはどちらが容易かと言えば、スピーキングの方が断然容易だからなのです。英語のできない人が「聞くのは分かるけど、英語は話せない。」と言うのは簡単な英語なら聞けば分かると言っているだけです。英語を少しやった人ならリスニングの難しさに驚くはずです。スピーキングは自分で全てを完結できますので、全て自己コントロール下にあるので練習し易いのです。リスニングの練習はそんな簡単なものではありません。例えばアメリカの早口のテレビのニュースが聞き取れても、スタンドアップコメディーを聞き取る術はまったく別のものです。英語はインド訛りとか中国訛りの英語聞き取る必要性もでてきます。英国と米国でさえ違う英語です。40年英語やってきた私も英国英語は米国英語より聞き難いのです。

その上に英語のリスニングは音が聞き取れても意味がわからない場合があります。2004年の大統領選で私は「Bring it on.」の表現がでてきて耳では聞き取れたけど、正しい意味が理解できないので辞書を引き「かかってこい」の意味である事を知りました。このようにヒアリングは音を認識した上でその音が英語でどのような意味であるか理解する2つの大きなバリアーがあります。このバリアーは正直に言えば完全に克服できないものかもしれません。それほど困難なものです。

英語学習で効率化を考える場合にどれほどの努力を投入したらどのくらいのものを得ることができるかを判断する必要があります。仮に500時間を投入する場合にスピーキングの場合とリスニングの場合を考えてみましょう。難しいリスニングの場合であれば現在に販売されている、どのようなリスニング教材を使っても500時間後の結果はある程度は良く聞けるようなレベルぐらの効果しか期待できません。しかし発音練習でまともな練習方法を選べばかなりのレベルまで期待できます。1,000時間もあればかなり自然な音に近づけることは十分に可能です。仮に1,000時間リスニングを練習しても発音練習をしてませんので、ほとんど発音が良くなることは期待できません。

発音練習なら比較的短期間に自分の上達を感じることができますので楽しさが感じられます。自分で全てを完結できるだけでなく、発音は録音してフィードバックを得る事ができます。フィードバックを生かして効果的な練習と自分の上達を実感できます。発音が上手になると人に聞かせたくなります。周りの人には迷惑千万ですが発音練習には大変良い事です。

しかしスピーキングであれば多少のトレーニングにより自分の発音を完全に100%理解してもらうのはそれほど難しい事ではありません。話す相手が事前に分かれば準備もできるので自分の思っている事を100%言う事は大変ですがかなりのところまで音にでき、その音の英語はほぼ完全に理解してもらえます。英語でも自分が余裕持って会話に望めると、不安を持って会話をするのでは精神状態はまったく違います。

1,000時間、正しい方法でスピーキングの練習をすればかなり自然な発音に近くてきますが、同時にリスニングも良くなっているはずです。これは発音できるから聞き取れるのではなく、発音するときには注意して英語の音を聞く必要があります。良い発音する事は実は自分の発音を聞いてどれだけ調整するかにありますので、発音することは常に聞く練習が平行で進んでいることになります。発音するためには音の特徴を捉える必要がありますが、その音の捉え方はリスニングとまったく同じです。音の特徴を捉える事ができれば発音できることになります。その逆も正しく、聞いて音の特徴が捉え易いように発音をすべきなのです。

英語を話すことは横隔膜や喉や口のまわりの総合的な運動です。英会話だけを取り出せばそのトレーニングは頭脳系と言うよりは運動系に属すると思われます。特に口、舌、腹筋、声帯、顎を使う総合的な運動といえるでしょう。自然な音つまりネイティブに近い自然な音を出すことはより効率の良い筋肉の動きを意味しています。脳は練習することのより、一番効果的な筋肉の動きに収斂していくのではないかと思われます。その結果最小の指令で済むので覚えるのも楽になります。

特に悪い発音でも練習して習熟すると省エネになることは注意しなければなりません。多くの日本人が日本語アクセントの英語を話すことにあまり苦痛を感じないのは正にその発音方法に習熟してしまったために省エネとなってしまったからです。自然な英語の発音であれば日本語訛りよりはもっと発音しやすいのですが、それを知らない状態では日本語訛りでも慣れてしまえばかなり発音し易く感じるものです。

容易なスピーキングなら確実に自分の力が向上するのを実感できるので長続きさせることもできます。楽しさを実感できるスピーキングなら練習が楽しくなります。発音が良ければ話しかけたくなります。しかしこれはヒアリングは心配しなくて良いと言う事ではありません。ヒアリングこそ英会話の最も重要なポイントですがこれを極めるためにはスピーキングを優先すべきだと言う事です。その理由をこれから順次説明していきます。


2005年9月からはTOEFLが次世代TOEFLとなりスピーキングが加わりました。英語を論理的に話すことが重要になります。TOEICにも近い将来スピーキングが加わることと思われます。これからの英会話は今まで以上にスピーキングも重視されるでしょう。現在どちらかと言うとヒアリング重視の学習方法にも問題があるのではないと思います。

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