英語のディクテーションとリスニングの使い分け

ディクテーションとリスニングは正確に聞く事は同じですが、最終目的は微妙に違ってきます。日向清人氏は彼のブログで次のように説明しています。

「一般に、ディクテーションについては、英語を音として聴き取ってから、それを書き言葉として再構成するのは、そのこと自体、学習課題として大きな意味合いがあるとされたりしますが(Davis & Rinvolucri Dictation: New Methods, new possibilities (Cambridge University Press)、具体的には、ディクテーションが終わってから自分で答え合わせをし、フィードバックを得ることで、いい加減にしていたスペリングに気づかされます。また、本来、I'll give her the message.であるものを I give her the message. と思い込んで書いたのを見て、改めて、I will = I'llを入れるべきであること、また、将来の話である以上、当然、I giveではないということを再認識させられます。このように、自分がごまかして済ませていた点が顕在化するため、いわば弱点を突きつけられた格好になり、反省を迫られる点が学習者にとってのメリットです。

また、英語では、We'll take you to your hotel.というフレーズなら、メッセージの本体に当たるtakeとhotelだけが強く、しかも、二拍のビートに乗ってコミュニケートされる反面、二義的な"We'll" "you" "to" "your" といった単語はあまり強く発音しませんから、だいたいの人が聴き取れずに終わります。また She's on the production side.(彼女は生産部門の人間です)でのonやtheのような前置詞だとか冠詞も本来強く発音されることはありませんから、強くは発音されなくても、そこに不可欠の補強材があるはずだという意識がないとやはり聴き取れません。

つまり英語を話す人は、名詞とそれを修飾する形容詞、動詞とそれを修飾する副詞およびwho, what, howなどの疑問詞については、メッセージの本体部分を構成する部品だという意識が働いて、ストレスを置いて発音しています。前面にぐいっと押し出しているのです。対照的に、代名詞、前置詞、冠詞、Be動詞、助動詞、それと接続詞は、本体部分とのコントラストを意識して、敢えて抑え気味というのか、さらり流すように発音して済ませているものです。」

英語の試験対策で無い限りリスニングは必ずしもスペルと関連させる必要はありません。

私もスペルと関連させない方が良いと思っています。聞いて理解する場合には日本語で「ほんなら」とか「さいなら」と言った場合に「それなら」でも「さようなら」でもどちらでも構いません。しかしこの違いは映画のシナリオなら大きな問題となります。英語は代名詞、前置詞、冠詞、Be動詞、助動詞、接続詞を非常に弱く発音しますので、多くの場合はいい加減な発音になります。しかしその目的語が聞き取れる方が良いのですが、言っている人も慣用的に言っている場合が多いのであまり言っているのか、いないかの意識がない事が多いのです。日本語でも「さいなら」「さよなら」「さようなら」が曖昧のまま発音する場合も多く、発音している人は相手が文字にすることを前提としていません。

話す言葉にはコンテキストよりは感情的な情報が大事ですから、言葉をはっきり発音するよりは心を込めて発音する方が大事です。リスニングでも同じことです。コミュニケーションとは自分の考えや気持ちの情報をある媒体(声)に乗せて相手に伝え、受け手はそれを解読します。その情報の内、文字情報はその一部です。逆にディクテーションは文字情報が全てになります。

もしディクテーションの試験とかで正しい文字の聞き取りの必要性があるなら、練習は仕方が無いのですが、聞き取りの練習をするならお勧めできません。すでに説明したようにディクテーションは聞き取りでは不必要な部分までの情報を必要として、その情報はリスニングも発音にも関係が無いからです。

リスニングは細かいスペルよりは話の展開を掴むのかが大事ですので、文字にする必要がありませんのでディクテーションと比べ聞き方が大きく違います。これらの理由から英会話のためにはディクテーションよりはリスニングの方がずっと効果的な練習方法となります。

テープを聞いて文字にすることはやればすぐわかりますが、非常に時間がかかり、骨の折れる作業です。1時間のテープを起こすのに4、5時間かそれ以上かかってしまいます。手で文字を書いたから覚える保障は何もないのですから、このことを考えれば、その同じ時間を使うなら英語の音声を聞いた方がはるかに効果的な画聞き取りの学習ができます。音声の言葉は本来、それほど正確性を必要とするものでありませんから、話している本人も一つ一つの発音に注意しておりませんから、聞く人がその語尾まで聞き取れるかどうかはテストでもない限り自己満足のレベルでしかありません。

HOME|最適性理論とは|教材オンラインショップ|特定商取引法の記載|個人情報保護方針|お問い合わせ
Copyright(C) 2011 最適性理論で英語学習 All Rights Reserved