英語を覚えるならルールで覚えない

ある発音関連の掲示板に次の質問がありました。

What a charming skirt! It makes her really young.
But she is young. She's still in her twenties.

上記の「But she is young.」のどれが強く発音されるかという問題ですが、答えはisになっていますがなぜButやyoungではないのですか。

次のような答えが掲載されました。

中学生の方ではなく大人の方なので大学センター試験風の解説をして見ます。文の中でどの語を強く言うかという問題の解き方です。

1.初めての文のときは 強く言う語と強く言わない語があります。

強く言わないのは 冠詞、人称代名詞、関係詞、助動詞、前置詞、接続詞 など強く言うのは 名詞、動詞、形容詞、副詞、感嘆詞、疑問詞、数、thisなどの指示代名詞です。(中身に情報がある語なので内容語とも呼ばれます。)特に初めて出てきたときは強く言う語の中で最後に出てきた語を強く言います。

2.話の流れの中で、もう出ている情報や、お互いにわかっている情報は強く言わず、初めて出てきた情報か、前の情報と反する情報を強く言う。というルールがあります。ですから、この問題では2のルールを当てはめて考えて見ます。前の発言の中でyoungという情報は出ていますので、相手の人はその同じ単語を強くは言わず前の人の情報と食い違う情報のisを強く言います。前の人は「あの素敵なスカートをはいている彼女は若く見えるね。」と言っているので、相手の人は「若く見えるのではなくて、実際彼女は若いんだよ」といっています。ではButではないかということを思われるかもしれませんが、接続詞は内容語ではないので、ほかに大きく既に出た情報と異なる内容語があるときは、そちらを選びます。ここでは「動詞のis」が正解になります。

この解答は大変に丁寧親切なのですが、試験だからこのように理詰めで考える時間も有りますが、もしこれが会話なら瞬時に判断しなければなりません。ルールを考えたり、持ち出している暇はありません。英会話では感情を込めて発音する必要があります。例えばHow are you?の文章では「調子はどうですか」と聞く時はareを強く言います。挨拶文で習った表現です。「あなたはどうですか」と聞く場合にはyouを強く言います。会話の発音の際に感情を込めて練習する練習をしておけば簡単に出る答えです。咄嗟の判断でもできると思います。

英語をルールで覚えないと言うのは音で覚えると言うことです。音にはいろいろな情報を込める事ができますので、なるべくいろいろな情報も付加させる練習をします。それ身に付いてしまえば、瞬時の判断で使うことができますので十分に会話でも生かせます。仮にルールで覚えられても試験では使えるかもしれませんが、実際の会話では意味がありません。英会話の話すルールと言うのはルールを理論的に覚えるのでなく音にして覚える必要があります。感情も含んだ正しい音を覚えてしまえば必要な時にはいつでもそれを参照できますし、いつでも瞬時に使えます。

あるルールを覚えておけば、それをどんな場合でも使えるから便利と思うかもしれませんがその考えは正しくありません。言葉は使える状態にして記憶しておかなければ意味がありません。三人称単数のsにしてもShe loves you.と音で覚えれば直ぐに会話でも使えます。また脳の優れているところは幾つかの個別のパターンを覚えるとそれを一般的なルールとして捉え、使うときには個別の形でとりだせることです。この脳の機能を最大限に活用できるのが言語なのです。

脳科学者の茂木健一郎氏によると人工知能の研究でようやく理解ができるようになったのは、脳はルールの集積でできているのではないらしい。コンピュータが発達すればするほど、人間はコンピュータにできないこと、すなわち「創造性」や独自の「データ編集能力」を発揮することが重要になってきます。決められたルールに基づき膨大な処理をしていく仕事はコンピュータの得意分野であり、決められたルールに基づかない飛躍的な発想とかルールそのものを決めることが人間の役割となるだろと言っております。

つまり人間の判断はルール化できなと言っています。

我々が覚える掛け算九九もまったく同じ事です。もし掛け算九九をルールとして覚えるなら同じ数字を9回足していくと言う一つのルールで済んでしまいます。しかしほとんどの人は九九をひとつひとつ丸覚えしているはずです。掛け算九九を全部で81個も覚えています。我々皆ある程度時間をかけて覚えたはずです。時間は掛かったけど決して脳の記憶力の負担にはなっていません。日本語では“8X8=64”は“8掛ける8は64”と理解しているではなく“はっぱろくじゅうし”と音で覚えているはずです。“かっぱろくじゅうし”と言うような覚え方をしている方もいるかもしれません。しかし電卓がいつでもそばにあっても誰一人として掛け算九九を覚えた苦労を後悔せずに、一生その恩恵に授かったはずです。

ちなみに英語では”Eight times eight is sixty-four.”と発音してその音を覚えます。英語の九九は英語圏の人でも覚えにくく子供達は九九を覚えるのに大変苦労しています。日本語のように言い易い方法がないからです。暗記するときに音でおぼえると瞬時に正確に思い出すことができ、かつ覚えたものを忘れません。“はっぱ”がでれば自然に“ろくじゅうし”がでてくると思います。掛け算九九を覚えるのと英語の発音を覚えるのは共通点が多いと思います。だれでも掛け算九九を覚えるために練習をしたと思います。聞いているだけで覚えた人もいないと思います。ひたすらに音にして繰り返したはずです。しかし音にした理由は覚えやすく、思い出しやすいからなのです。でもそのお陰で掛け算九九を長いこと使わなくても必要な時は実用的に使えていると思います。音に関係無い算数の基本でさえ音に変換して覚えるのですか音で使う英語は絶対に音を活用すべきです。

英語の中でも会話をすることは、瞬発性が要求される点において最も難しい技術になります。しかし難しい技術であるために要求されるレベルは低いものになっているのも事実です。英語の発音は言い換える事もできるし、追加もできるし、誤りの許容範囲も英作文よりもはるかに幅の広いものとなっています。

会話は実は人間に要求される技術の中でも最も難しいスキルでありますが聞く事と話すことの即時性を必要としているからです。英語の音を理解するだけでなくそれに近い意味複雑な翻訳の能力も要求されるからです。しかも、そのバリエーションが気が遠くなるほど多いのです。しかし、人間の能力というのは、このような複雑なシーケンスを伴うスキルも、”何回も繰り返せば”容易に感じるように自動化されるようにできている。これは、車の運転、スポーツ、楽器の演奏など、さまざまな複雑なスキルの習得にすべて当てはまります。その意味で話す能力の習得はスポーツのそれと同じとはよく言われることであります。

日本人が英語の発音を習得する場合は車の運転、スポーツ、楽器の演奏に似ていますが大きな違いは既に自動的に発音できる日本語の発音の癖が非常に大きく支配している事を頭に入れて置かなくてなりません。

言語も特に発音やリスニングはルールを用いる判断を使わないのが賢明です。英会話において、通常の会話文の多くは文法的に組み立てるのではなく、記憶された音の組み合わせで話すべきだと思います。

難しい事を話す場合には文法的に組み立てる事もあり得ますが、通常の会話では多くの表現は既に自分がまたは他の人の使った表現がほとんどです。逆に会話に使う文章であれば、ある程度は練習をして音を思い出して発音できるくらいでなければ、外国語を文法的に考えて組み立てるのは至難の業です。英会話においては、聞きながら、話しており、すべてが完全に理解できない用語もあるのですら、発音のためだけに脳の力を使う訳にいきません。

良く、音の変化と言うルールを詳細に述べている本がありますが、あのルールを適用して発音に利用するのはほとんど無理なことです。まして、聞き取りの場合にはルールが分かったからと言って原文がどうなっているかを推察するのは、ほぼ絶望的です。

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