聞き流し教材のスピードラーニングの実体調査
最初、私がエスプリライン社に電話をしたのはサイトにあるフリーダイアルの番号でした。
http://www.espritline.co.jp/ad_af_net205/sle42-s0/?

このフリーダイアルでは商品購入のための受付アルバイトにつながるだけです。社員の名刺には会社の番号が印刷されていますが、サイトや新聞やテレビの宣伝からの電話は全てフリーダイアルにしてあり、簡単には会社のスタッフとの直接の連絡ができないようにしてあります。
私は“どうして聞き流すだけで英語が話せるか”の質問をすると、別のフリーダイアルを紹介されました。同じ質問すると応対に出た女性はアルバイトだから分からない、他の人はいないから答えられないと言うのです。

私は「いいからアルバイトを管理する責任者を出してくれ。」と強く言うとようやく尾崎有美子氏が出てくれました。苦情等に関して最初はアルバイトの女性にまかせているようで、私はそれでもくいさがりアルバイトの監督者を出してくれ言って、尾崎氏と話し、彼女が本社で私と他の社員の話し合いのアレンジをしてくれました。

私は川越のとなりの町に住んでいます。2010年9月22日の午後に私は川越のスピードラーニングの本社を約束の時間に訪問しました。尾崎有美子氏、横山三恵氏、川田夏枝氏、中山善之氏の合計4名が応対してくれました。本当は社長と話したかったのですが、応対してくれませんでした。

かなり大きなビルの3つのフロアーを使う大きな会社でした。受付のところには大きな石川遼のポスターがありました。

石川遼は聞き流すだけで英語が話せるようになったのか
この商品はテレビ、新聞、ウエブサイトでコピーの「聞き流すだけ」を商標登録して使う程、「聞き流すだけ」で英語が話せる事が最大の売りになっています。ウエブサイト、新聞では全面広告、テレビでプロゴルファーの石川遼を使い大々的に宣伝を繰り返しています。

ウエブサイトのタイトルは「聞き流すだけの英語教材」となっています。

しかし、サイトでは石川遼の写真とそのコピーでは“石川遼も聞き流すだけで英語が話せた”と言っています。しかし宣伝の中のコメントでは石川遼は「英語が聞き取れるようになりました。」と聞き取り効果を言及しているだけなのです。実際には聞き流すだけで英語が話せると言う商品なのに、石川遼は聞き流すだけで英語が話せたのではなく、かなり役立っていると言うようなコメントしか、言わせておりません。

スピードラーニングの社員も石川遼は聞き流すだけで英語が話せるようになったとは言ってないと言うのです。

4人の話しでは本人は宣伝には書いてないが、石川遼は15才の時からスピードラーニングを聞き流すだけで英語が話せるようになったと言うのです。石川遼は忙しいから移動時に聞き流す練習しかできないと言うのです。

石川遼の父親もテレビのコマーシャルでは中学生になってから、つまり15才からと言っていますが、テレビ画面では石川遼は2007年からスピードラーニングをやっていると言います。すると彼が17才の時からになります。このどちらかの説明が嘘になります。

石川遼のような億単位で稼ぐ人間で、かつ英語が必用な職業であるならば、一般的には費用は度外視して最も効果的な個人レッスンを受けるのが常識的な考えです。宣伝の画面では2007年からと言っていますから、2007年から広告に出てもらう契約になったのでしょう。それをあたかも石川遼の方からスピードラーニングを始め、聞き流すだけで英語が話せるようになったような広告をしています。

スピードラーニングにはゴルフ用語はあまり含まれておりませんから、石川遼がスピードラーニングだけでゴルフに必用な英語も話せるようになったと言う説明は信じる事ができません。普通の考えでは、少なくともゴルフに関しても、聞き流すだけでなく、発音する練習もしているでしょうし、多分個人レッスンを受けている考えても不思議はありません。

スピードラーニングは実際に教育の現場で使われているのか
またサイトや新聞の宣伝では長野清泉女学院の高校が現場でスピードラーニングを導入と言っております。2010年の10月5日の宣伝では“長野清泉女学院中学・高等学校とエスプリラインが共同研究”と謳っております。私は長野清泉女学院の副教頭に直接電話で話しを聞いたところ、スピードラーニングを副教材として使っているもので、現場では使われておりません。共同研究と言うのはあまりにも大げさな表現です。そして現場に導入と言う意味合いは教室で先生がスピードラーニングをベースに生徒に教えている事を意味すると思います。

長野清泉女学院の英語の実際の授業の現場では一般的な発音とリスニングを並行して別の教材で教えており、聞き流すだけの教育はしておりません。しかも実際にはスピードラーニングも副教材で使っていると言うのが実情です。英語学習者は多くの教材を使いますから、長野清泉女学院の高校が現場でスピードラーニングを導入と言う表現は誤った使い方です。

副教頭の話しではリスニングの力が上がったが、それがスピードラーニングだから良かったのか、他の教材で良かったのは判断できないとしております。しかし、新聞やサイトやテレビでは長野清泉女学院ではあたかもスピードラーニングだけを使い、聞き流すだけの教育で、英語の発音やリスニングを教えているような宣伝をしております。

2010年10月5日も日経新聞の全面広告をしております。つまり私が2010年9月22日に川越のスピードラーニングの本社も訪問しても、そのような事実を確認できないにも係らず虚偽の宣伝をしております。学校とエスプリラインが共同研究と言うのも虚偽の宣伝です。

実は学校の副教頭も英語を聞き流すだけで話せたり、聞き取れたりする事を信じておりませんでした。

この高校ではグラフを表示してリスニング能力が上がったとサイトや新聞で述べています。しかし、この商品の最大の特徴は聞き流すだけで英語が話せると言うのが最大の特徴ですから、リスニング力を誇示するのはずるい表現です。グラフを表示してあたかも聞き流すだけで英語力が向上したように見せています。英語の音声であればスピードラーニングでなくても他の教材でも、テレビでもラジオでも、どの英語音源でも使えばリスニングの強化になり、スピードラーニングが持っている特性ではありません。

そして中山氏がスピードラーニング使っている長野清泉女学院の担当と言うので、なぜその高校は教室でスピードラーニングを使わないのかを質問しました。中山氏はカリキュラムがあるからとの返事でした。それならスピードラーニングの受講者が100万人と豪語しているなら、なぜその高校が授業でスピードラーニングを使う事を説得できなかったを尋ねました。

スピードラーニングの新聞の広告では受講者が100万人と言い、テレビは85万人の受講者となっております。この辺の数字はいい加減で、多分自分達も実数が分からないのでしょう。しかし、10分の1の十万人にしてもその辺の学校が経験できる数字でありません。学校よりはずっとスピードラーニングの方が経験は何百倍も多いのです。提携した学校ですら、聞き取りと発音を繰り返す学習をしており、聞き流すだけの教育は効果がない事を知っているのです。

そして中山氏はイベントを担当しておりますが、外国人との交流の場を増やし英語を話す機会を増やしていると言うのです。聞き流すだけの教材を売る会社が、本当に聞き流すだけで話せるなら他の機会を与える必用はありません。スピードラーニングは聞き流すだけで話せる教材で、異文化交流の教材ではないのです。
外人との交流を増やすと言うのは聞き流すだけでは英会話が習得できないから、顧客から不満がでないようにその補強をしていのではないかと思われます。中山氏からそれに関するコメントはありませんでした。

聞き流すだけで英語が話せるのか
横山氏からは、英語を聞き流すだけで覚えられるのは英語の周波数が高いから、その音に慣れると聞き流すだけで話せるようになるとの説明がありました。もちろんこれはサイトでもこの理論で聞き流して覚えると言う説明をしております。そして横山氏はトマティス理論(パスバンド)の本をみせてくれました。

トマティス理論 とは
音にはいろいろな音があり、人間は11オクターブにおよぶ幅広い音のスペクトル中すべての周波数が誰にでも同じように認知されるわけではなく、”パスバンド”と呼ばれる、言語によって異なる優先的な周波数帯が存在すると考えているトマティス理論です。

現在のトマティスのサイトではバスバンドはほとんど言及しておりませんので、現在のトマティスではトマティス理論を取り下げた格好になっております。

トマティス理論では学習に関しては次のように説明しています。
すなわち、言語によって特定の音域が優先的に使われ、他の音域は二次的な形で使われると考えるものです。この耳に影響を与える優先的周波数帯は言語の習得に影響を与えます。すなわちその言語を話す民族によって音の聞こえ方、発声の際のパスバンドは異なります。

ちなみに日本語のパスバンドは125ヘルツから1500ヘルツだと言うのです。
フランス語のパスバンドは1000から2000ヘルツの間であり、英語のパスバンドは2000から12000ヘルツだと言うのです。

日本語と英語との比較
本当にパスバンドに高いとか低いとかがあるのでしょうか。日本語と英語の音英を比較するとき、まず基本周波数(声の高さ、ピッチ)を比較 します。この基本周波数は、人によって個人差が大きいのですが、一般的に日本人 の方が英語ネイティブよりピッチ(声)が高い傾向にあります。
これは「英語リスニング科学的上達法」。(P148〜149参照) からのデータで日本語と英語の 母音を比較してみます。

このあたりの詳しい説明については、下記の本が比較的易しく書かれていますので、ご興味のある方は参照下さい。

講談社ブルーバックス 英語リスニング科学的上達法
山田恒夫、足立隆弘、ATR人間情報通信研究所

第1フォルマント周波数(F1)  第2フォルマント周波数(F2)  
日本語
あ      1.0 kHz辺り      1.2kHz辺り
い      0.4 kHz辺り      2.8kHz辺り
う         0.5 kHz辺り      1.2kHz辺り
え      0.7 kHz辺り      2.0kHz辺り
お      0.7 kHz辺り      1.0kHz辺り

英語
A       0.8 kHz辺り      1.5 kHz辺り
I         0.3 kHz辺り       2.5 kHz辺り
U         0.3 kHz辺り       0.8 kHz辺り
E       0.9 kHz辺り      2.0 kHz辺り
O       0.6 kHz辺り       0.8 kHz辺り

これで見ると、言語の周波数(パスバンド)は英語でも日本語でもあまり違いません。日本語も英語も、母音については、非常に近い周波数域を使用しています。もう一つ、注目して欲しいのは日本語でも結構高い周波数を使用していることです。

日本語の方が基本周波数(声のピッチ)が高く、第1フォルマントと第2フォルマントの使用周波数の高さも十分に高いのです。

子音は本来音としては雑音のようなもので、母音の一時的な逸脱に過ぎません。定常的な周波数をもっていないため計測は不可能です。

パスバンドの理論の致命的欠陥
このような周波数測定(パスバンド)には致命的な欠点があります。それでは言語音の周波数を計るとどうなるでしょうか。するとどうも子音の多い英語は周波数が高く計測されるようです。どうもこの数値で高いとか低いとか言っているようです。しかしこれは見掛け上の周波数であって、子音を含む音声を周波数で計測する事は不可能なのです。

これは、音を全て正弦波の和で表現し、どの正弦波が主に含まれているかを測定し、その正弦波の「周波数」で表現するものです。音の形が正弦波に似ていなければ いないほど、この測定法では誤差が出ます。正弦波とは音叉等が出す規則正しい音です。

しかし無声子音などの余弦波であるS、K、F、TH、Tなどの音は正弦波で測定すると非常に高い周波数が測定されます。正弦波となじみが悪いため、より周波数の高い正弦波の和で表現しようとするためです。英語の音にはこれらの 音は頻繁に現れるため、平均周波数が日本語より英語の方がはるかに高くなるためです。

言語音は周波数で計れない
このように英語の周波数が高いと言うのは誤りです。あらゆる音は周波数を持っていますが人間が発する音は大変複雑な波形を示します。声帯が音源である母音も複雑ですが子音は更に複雑で人には聞こえない超音波まで含まれています。例えばささやく声はすべて子音になりますが、いろいろな音のミックスであり周波数で計る事はできません。

周波数とは周期する数の事で、ある現象が一定の時間をおいて同様に繰り返されるさまを言います。音声認識でいろいろな音を扱うために、よく音声をフーリエ変換して変数を算出しますがあくまでも周波数が一定である各種の音を対象にしております。

聞き流すだけでは言葉は話せない
いかなる言語でも、聞き流すだけで話せるようになりません。これは個人差があるものでありません。子供も生まれて最初は聞いているだけですが、10ヵ月もすると話すようになり、発音と聞き取りを並行しながら発音、聞き取り、表現の記憶を増やしていきます。

スピードラーニングの説明でも誰一人聞き流すだけで英語話せたと言う根拠はありませんでした。

どこの英語学校でも英語教室でも発音と聞き取りは並行して教えるもので、聞き流しているだけで話せるようになりません。これは個人差があるものでなく、人間が話すようになるためには発音する練習が絶対に必用です。

これは音楽でも歌でも同じ事です。ピアニストの演奏をいくら見ていても、聞いていても上手になりません。人間の筋肉運動は繰り返しの練習が必用で、歩く事や、走る事、人間が食物を間で飲み込む行為でさえも大変複雑で練習を必用とします。

言語を話す事は歩いたり、食物を食べるより高度な筋肉運動を必要とし、全ての人類は人種や言語に係らず繰り返し練習は不可欠です。

しかし、このスピードラーニングはあたかも聞き流しているだけで英語が話せるようになる、石川遼が聞き流すだけで英語が話せるようになったような宣伝を続けています。しかも社員達は行き過ぎた宣伝を知りつつ、大きな問題にならない配慮をしなが巧妙な宣伝を続けております。

開発者の大谷登氏の説明
開発の大谷氏は新聞広告で自らの体験として“英語の勉強は一切やめて聞き流す事に徹し、英語を対する心の壁が取れた事によって英語が口をついた体験をした大谷。この自らの体験から「これなら英語が絶対に話せる」と確信したと言う。”と言っております。「英語の勉強は一切やめて聞き流す事に徹し、英語を対する心の壁が取れた事によって英語が口をついた体験をした」と言うのは非科学的であり、聞き流すだけで話せるようには絶対にあり得ない経験なのです。

英語を話すのはどちらかと言えば運動系の学習です。精神的な壁の問題でなく、実際に発音練習を繰り返しする以外にありません。


まとめ
スピードラーニングが聞き流すだけで話せる教材ではありません。そして教育の現場でも使われておりません。石川遼がスピードラーニングを聞き流すだけで英語が話せるようになった根拠もありません。聞き流すだけで覚えるのは周波数の違いも間違った説明です。

開発者が聞き流すだけで英語が口についたと言うのも、常識的にはとても信じる事はできません。

私は偽りの教材を、偽りの宣伝であたかも真実のように見せかけている、誇大表現というよりは偽りばかりの宣伝だと思ってお
ります。
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