早期英語教育の弊害

最近英語教育が普及して子供の英語教育が始まっています。英語を耳で覚える臨界期があるのでその前に英語を覚えさせたいとの親心だと思います。英語のエマージョン教育と言って子供に総てを英語で教えている学校もでてきています。私はこれにはあまり賛成ではありません。臨界期前に発音を正しく教えておくのは賛成ですがそれ以上の英語教育は反対です。

私は長い間、言葉に関連した仕事していますので多言語身につけている人を多く知っています。しかしその方々が必ずしも良かったと思われないからです。

4ヶ国語を話す男
私が留学していた学校にイタリア系のベネズエラ人のミーバ・フィロセタと言う男がいました。ミーバはイタリアで生まれ8才の時にベネズエラに移民しました。ベネズエラの高校を卒業してカリフォルニアの大学にきました。ですから彼はイタリア語、スペイン語、英語そしてフランス語も理解して話すことができました。言語を習うには非常に恵まれており日本の英語のエマージョン教育どころではありません。家ではイタリア語を使い高校までの学校ではスペイン語を使って大学は英語で勉強しようというのです。

語学を習った者から言えばうらやましいのですが本人は少しもうれしそうではありませんでした。例えば電話番号を覚えるのはどうしてもイタリア語でないと覚えられないと言うのです。それでは新しい学問を習うなら何語でならうかと聞いたところアメリカの大学に入ってからは英語だと言うのです。ミーバの英語はイタリア語なまりのあまり上手な英語ではありませんでした。私の英語といい勝負くらいでした。

もし私が何か新しい事を勉強するなら躊躇なく日本語を選びます。多国語を覚えた場合に絶対に必要なのは絶対的な自分の利き腕となる言語を持っておくことです。新しい何かをするときにはその利き腕となる言語で勉強することによる効率よく学習できます。

母国のないバイリンガル男
私がサンディエゴの大学に行っている時に将来は外交官を目指すJ.T.君がいました。母親が米国人で父親が日本人でアメリカの国籍を持っていました。中学まで日本の学校に行き高校からアメリカンハイスクールに行きました。バイリンガルにはもってこいの環境でした。彼は1970年に大阪の万博で米国政府の出展してアメリカパビリオンのホストに選ばれるほどの俊才でした。万博のアメリカ政府を代表しますのでアメリカ国籍保有者、バイリンガル、品行方正、成績優秀でなくてはなりません。私の行っていたサンディエゴ州立大学でも数万人の学生がいましたが上記の条件を備えて受験できるものは彼しかいませんでした。しかし彼は各種のテストや選考や面接を受け数十倍の難関を突破しました。選ばれた事は本人にも我々日本人仲間にもそして学校でも名誉な出来事でした。

しかし私からみればうらやましい環境でした。しかし彼はさびしそうに“自分に母国が無い”と言うのです。法的には米国人でしたが彼が言うには米国にいても自分の国に来た感じがしないと言うのです。日本にいても母国に居る感じがしないということでした。確かにJ.T.と話していると日本語はうまいのですがやはり何となく外人と話しているような気持ちでした。本人は自分は日本人でもアメリカ人でも無いとまで言っていました。

母国語は自分の文化や自己アイデンティティにも直結するものです。その自分が確立しないてうちに複数言語で教育を受けることは大きな問題を抱える可能性が多いと思います。帰国子女がバイリンガルともてはやされる一方で多く問題をかかえた子供多いのです。検索エンジンで帰国子女と問題で検索してみれば分かります。帰国子女はやむを得ず異文化に接する機会を得たのですが外国語を学ぶ者としてはうらやましい存在ではありますがそれが言葉や教育の問題を抱えている子供も多いのです。
このような状態で、あえてエマージョン教育をさせて不安をかかえる必要があるのでしょうか。特に自分は英語をうまく習得できなかったので子供には小さい時から英語をやらせたいという親が以外と多くびっくりしています。自分が努力して習得できなかった英語を単に英語で教える学校にいかせるだけで問題が解決できると考えているのでしょうか。

利き腕となる母国語とか自分のアイデンティティとかの問題を心配する必要もあると思います。

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