グロービッシュ(Globish) は実用的か
2010年のニューズウィーク日本版6月30日号の特集にグロービッシュ(Globish) があります。

グロービッシュ(Globish) とはグローバルに適応した簡易型イングリッシュの事で。世界で英語がいろいろな所ではなされ、お互いに伝わりやすい、平易な表現を生み出した、というのです。

”かつて正当なイギリス英語から「より民主的な」アメリカ英語に移行し、今度は世界の誰もが使える新しい道具になるだろう”と言います。

例えばこんな話しもあるようです。

”以前働いていた外資系企業のプロジェクトでテキサスに滞在していたとき、アメリカ人のマーケティングマネージャー以外、南米出身のエンジニア、ヨーロッパのマーケティングマネージャはフランス人、品質管理は中南米、製造担当は台湾人、デザイナーは日本人、という国際色豊かな会議でした。お互いブロークンですが英語で議論は白熱し、そしてひとつの結論を得ました。
みんなで握手をして会議室をあとにしたあと、廊下でアメリカ人のマーケティングマネージャに呼び止められました。「カズ、お前は今の会議にハッピーか?どうやらオレひとりだけがきちんと理解してなかったようだ。わるいけど後で簡単に議事のサマリーを作ってメールで俺に送ってくれないか。」といわれたのです。”

グロービッシュそのものは特別な「英語」ではなく、「出来ることをやってみた」結果であり、それが母国語で英語を使う人に「これはわたしたちの言語とは違う世界の共用語だ」と気づいた、ということなのでしょう。

国際的なニュースに対するツイッターやユーチューブ上でのコメントは、皆わかりやすい平易なものであります。

しかし、グロービッシュの中で英語で良く使われる1500単語を覚えれば、いとも簡単に英語でコミュニケーション取れてしまい、グロービッシュは日本人にとってグローバル化社会を強く生き抜くための起爆剤になると言う過激な発言もあります。

この単語を1500語に限定するのはまったくナンセンスな話しです。英語は話すよりは聞く方が10倍以上も難しいのです。英語を話すなら、話すより、聞く方が問題です。それでは相手は1500語で話してくれるでしょうか。もしお願いされたら英語のできる人は1500語で話せるのでしょうか。

日本語や英語には何千万語もの単語があります。地球上の生物の種類だけでも数千万もあるのです。日本人のノーベル化学賞で有名になった有機化学でも数千万の化合物があるそうです。それらの無用とも思われる多くの単語は無理に作ったものでなく、必用があって作られたものです。

大人が幼児に話す時に単語の数を制限しているでしょうか。多分必用な事は単語に数に係らず使っていると思われます。

もし、我々日本人が1500語のリストを渡され、その単語範囲で話してくれと言われたら、話す事は可能ですか。現実的にはその1500語を覚えるだけでも不可能でしょう。

人類もずっと昔、まだ猿に近い時代は1500単語くらいの文明だったかも知れませんが。単語の数は知恵が付くにつれ、比例して増えてきました。無用とも思われる単語の数は、必用な人には大変便利なものです。IQと語彙数は大変に密接な関係にあります。

そしてその単語を多く駆使することは楽しい事であり、単語を上手く駆使できる事は知的レベルの表現でもあります。そのような人に1500語で話せと言うのはとても無理な事です。人間はどんどん覚えたいと願望があります。

1500で英語が話せるようになった人は直ぐに英語を覚える楽しさを知り、2千、3千、5千、1万とどんどん使える単語を増やし、自分の英語を誇示するようになるでしょう。

そのような人間の本能に逆らうような1500語で済ますグロービッシュとは言うのは何とも意味のない気がします。
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