英語の発音フィードバックを使う

英語の教材で最低100回精神統一して音読することとか、大声で音読することなどと言っているものもありますが不思議な事です。英語の発音練習に回数だけをこなす方法はあまり良い方法ではないからです。回数を増やせば発音が良くなるのであればあまり苦労しません。どんな習い事でも良くするためには、発音でもスポーツでも悪い所を知ってその部分を直すことしかありません。

東京に長年住んでいても地方の訛りのある日本語を話す人は少なくありません。決してそれが悪い訳でありませんが、本人が気を付けない限り何十年たっても改善されません。発音を良くしたいのであれば、良くなるまでやれば良いことで、回数が少ないのであればそれに越した事はありません。回数を勘定すると回数に気をとられ、肝心の発音がおろそかになる弊害すらあります。そしてまた、回数の達成に気を取られ、「こんなに音読をしたんだ」満足してしまう時もあります。結論としては「回数を決めて音読する練習は効果的でない。」ということです。アメリカなでは音読は時間が掛かり、効率的で無いと言うことで敬遠されているそうです。

今の時代はテレビやラジオやインターネットやDVDと英語の発音を勉強できるメディアが増えています。しかし30年前と比べ英語の発音のレベルが際立って良くなったとは思えません。どうしてでしょうか。それはは30年前も今も英会話学習方法がそれ程変わっていないからだと思います。

英語を発音するだけでは正確な発音はできません。その音を発したらその意図した音がでているかどうかフィードバックを得て判断して修正することが必要です。臨界期を過ぎた人は聞いて真似するだけとか、モデル発音を聞いて繰り返し発音しているだけでは自然な発音になりません。人間は筋肉を制御するのに、フィードバックに頼っています。例えば物を持ち上げるときでも、最初から正しい指令を出せるわけではなく、まず力を入れてみてその結果を目で見て、手で感じて脳にその結果をフィードバックして次の指令を筋肉に送り、正しくなるまで繰り返します。コップを持ち上げるつもりで重い石を持ち上げたときのように力が入ってコップが天井まで飛んだりしないのです。自転車に乗る時でもどれだけハンドルを曲げたら倒れないかあらかじめ分かっているわけでなく体の傾きを脳が感じ取ってフィードバックしながらバランスが取れる位置にハンドルを動かします。

人間が話す時も筋肉を制御するのは同じです。スポーツや音楽や芸能すべて筋肉を使う場合はすべて同じで、フィードバックを得て繰り返すのが練習の基本です。しかしスポーツや音楽や芸能は目で見てフィードバックを得ることができますが、発音の場合は目で見ることができないので音で聞くしかないのです。

自分の発音が正確に聞こえていれば、自然な発音との違いが分かるから、フィードバックによってよりネイティブの発音に近づくように舌の位置を変えることができるはずです。フィードバックがなくなると、日本語の発音もうまくできなくなるし、安定した声を出すこと自体できなくなります。通常に日本語を話せる人にヘッドフォンを付けて、音楽を最大音で聞かせながら、日本語の文章を普通の声で読ませてみれば良くわかります。すぐに日本語の調子がはずれてきます。


音を作る能力と修正するためのフィードバックのどちらか欠けても正しい発音はできません。では英語の発音のまずい人は音を知らないからその音を作ることができなからでしょうか。それともフィードバックがないからでしょうか。フィードバックはあるけど判断ができないのでしょうか。ほとんどの英語の発音のまずい人も自分の発音は良くないとか、ネイティブの発音とは違うと気付いています。つまり目指す英語の音は分かっているのです。違いが分かると言う事はフィードバックはあると言うことです。でも発音が良くならない理由はどこをどう直すべきか分からないのです。どうしたら良いでしょうか。方法は簡単です。日本語では話しながら自分で聞いて調整しています。

英語も発音をして、聞いて矯正する方法がベストです。

しかし臨界期を過ぎるとリアルタイム自己聴覚モニターが弱くなりフィードバックが正しく得られないからです。フィードバックが正しく得られないとはどういうことでしょうか。自分の話す言葉は全て聞こえているではないかと言うかもしれません。確かに話す時は自分にも聞こえていますが本人には実際の音が聞こえていません。実験的に自分の英語の発音をテープレコーダーで録音して最初に自分の声を聞くと最初に鏡に写った自分と出会った時のように、ほとんどの人がびっくりするはずです。声が違う人のように聞こえますし英語であれば自分がこんなに英語の発音が下手だったか落胆するはずです。残念ながらテープレコーダーで聞いている音が他人に聞こえている音です。


臨界期前の子供は自分の話しながらの音を聞いて自分の発音を矯正できますが残念ながら臨界期を過ぎた人には難しくなります。しかし臨界期を過ぎても音を矯正する能力がまったく無くなった訳ではありません。臨界期を過ぎてからでも地方の訛りを直した人は多くいます。ものまねをする人が臨界期を過ぎてもどんどんレパートーリーを増やしていけるのをみても臨界期を過ぎても音をつくる能力が残っている証拠です。発達神経学の専門家の榊原洋一氏も“臨界期は決して人生の短い一時期だけに開き、ある時期がくるとピシャット閉まってしまうわけでないことや、成人になってからでも学習方法を工夫することで再び開くものであることが明らかになってきた”と記してします。


しかしこのフィードバックの問題はレコーダーに発音を録音してそれを聞くことによって解決できます。私はテープレコーダーが市販された数十年前に購入して英語学習に使いました。しかし効果はそれほどでもありませんでした。音の頭だしが面倒なのでなかなか頻繁にタイムリーに聞くことが難しいのです。現在私はICレコーダーを使っていますがMDレコーダーやテープレコーダーとは別物くらいに思っています。携帯性、頭だし、ファイル作成等の機能は大変重宝で英会話学習の必需品だと思っています。

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